会長就任の挨拶に代えて
明星教育会会長 堀 清 志
時代は閉塞感に満ちあふれています。
アメリカ発の金融問題は世界的金融不安を生み、失業者・年金不安など生活の基盤を損なわせています。また、テロに脅え、各地に紛争や戦争状態を残したままにあり、飢餓や環境破壊は未だ解決をみずにいるのです。
日本もまた、こうした時代の流れの中にあって、経済的不安定状態からの派遣労働者切り・自殺問題や理由なき通り魔殺人、少子高齢化に伴う諸問題、ソマリア沖へ自衛隊を送り、北朝鮮の挑発に一喜一憂し、政治はあらぬ方向を向き続けています。
戦後一貫して資本主義経済に突き進んできたこの時代は、分業化・情報化・システム化が繰り返されてきた結果、真の自由を失い、理念を無くしてしまったのではないでしょうか。
我が国の理念である憲法第9条を改正し、捨てさることが、この國の未来をも捨てることにと繋がることを恐れています。
教育基本法が改正され、学校教育法等関連法の改正により今後の目指すべき方向性や内容が示され、新学習指導要領への移行が小学校で模索され始めた今日、教育現場からは相変わらず、学力低下に小学校英語教育導入・中一ギャップ・小一プロブレムといった今日的教育課題、モンスターペアレンツ対応や教員免許更新制、こうした課題解決からのストレスと教員の鬱症状などと言ったことが数多く問題視され、繰り返し報道されています。
しかし、こうした報道の裏側にあるものを私たちは認識しなければなりません。幼保一元化に一体何年かかれば結論を出せるのでしょうか?政治の思わぬ方向への進行(侵攻)に気づかなければならないのです。
百年に1度の経済危機などと言った言葉に踊らされ、一喜一憂し、日々を過ごしているのでは、この国の未来はあまりにも悲しい方向へと進んでしまいます。
明星大学もまた時代の流れの中にあって、人文学部心理教育学科で始まった歴史は、心理学科・教育学科に分かれ、今や教育学部教育学科へとその模索をしているようです。社会の大きな一翼を担う教員の養成をどう受けとめるかは、単に一大学の課題ではなく、国家のそして世界の存続にも繋がる問題であることをどこかで認識していなければいけないのです。時代の流れの中にあって時代を見つめることは難しいことですが、真の自由とは、教育の理念とは、一体どこにあるのかをもう一度見つめ直そうではありませんか。
真に次代を背負う子ども達へつながなければいけないものは、何なのでしょう。
論理的な思考が苦手な堀はここまで書いてきて自分の『心が動いていない』と改めて気づくのです。なぜなら、自分が教育現場の現職ではないからです。
退職から2年が過ぎ、『真剣に子どものことで悩んでいないからです。』
実践の場にいないと言うことは、感性が磨かれないと言うことです。
どんなに研究・研修を積み重ねたとしても、現場にいなければ何の役にも立ちません。学校教育の第一歩は、現実・現場を正確に理解することから始まります。
現実問題として、諸課の理解・解決は一人一人の対応では無理な時代になっています。チームとして動くことが求められています。
どんなに研究・研修を積み重ね、子どもたちから、保護者や地域から学ぼうとしても、豊かな感性を磨いておかなければ理解と課題解決にはつながりません。
豊かな感性を磨き、世間の人々に現実を正確に理解して貰うためにも・・・
明星教育会で自由に語り合えたらと思います。
心の抽斗にたくさんのことをプットインしておかなければ、理解や問題解決にあたって何もアウトプットできないのですから・・・
何をプットインするかは、あなた自身が決めるのです。
『心動かす』自身のテーマを模索することから始めましょう。
(2009年5月 思うがままに)